初心者向けのゴルフ雑誌、参考本、レッスンDVDなどを観ると、最初にやることとして
- 正しいグリップの握り方
- アドレスの姿勢
が書かれています。
アドレスについては、重心の位置は前過ぎず後ろ過ぎず、腰は落とさずお尻を突き出すように、手はダランとぶら下げた位置で・・・等々、細かくいろいろなことが説明されています。
ですが、私が練習場やゴルフ場で見る限りアドレスが悪いアマチュアゴルファーってあまり見かけません。特に最近の若い人(40代以下と思われる人)は大体アドレスの姿勢は綺麗にできており、雑誌などの悪い例として描かれている不格好なアドレスをしている人はほとんどいません。
おそらく最近の若い人は、年上のアマチュア(おっちゃん)ゴルファーに教わるよりも、雑誌や参考本などを参考によく勉強しているからでしょう。
アドレスで注意する点は重心の位置
前傾角度、お尻の突き出し方、脚を曲げる角度、手の位置など、それらの要素は個人差がありどれが正解というものはありません。プロゴルファーを見ても、前傾姿勢や手の位置などは人によって様々です。
ゴルフ雑誌や参考本などで紹介されているアドレスは、広く教えるためのスタンダードなアドレスなので、細部まで真似する必要はありません。個人個人に合ったアドレスで構わないと思っています。
ただ1点。
これだけは共通事項であり注意すべき点というものが「重心の位置」です。
アドレス時の重心の位置は「体のほぼ真ん中」です。
つま先側でもかかと側でも右足でも左足でもありません。前後左右均等、左右の足の拇指球あたりに乗るのが望ましいとされています。
この重心位置、正確に機械などで計測するとものすごく難しいのですが、まずは意識するだけで構いません。それだけでもある程度的確な重心位置が保たれます。
但し、前傾姿勢を保ち重心を拇指球あたりに乗せるため、どうしても重心が前よりになってしまうアマチュアゴルファーが多いです。スイングした時、前につんのめるようになってしまうことがありませんか?
あの伝説のアマチュアゴルファー「中部銀次郎さん」も、アマチュアゴルファーは重心が前よりになってしまう人がほとんどであり、「アマチュアゴルファーは重心位置をかかと寄りに乗せた方がよい」と言っています。
重心を体の中心にキープする方法
ここからは、重心を正しい位置にキープする方法をご紹介します。
アドレス中の重心位置
アドレス中は体を動かすわけではないので、重心の位置を作り、キープすることは難しいことではありません。
正しい重心位置を作るわかりやすい方法は、私がスイングを参考にしている「谷将貴レッスンプロ」のレッスンDVDで詳しく解説しています。動画で観るのが一番わかりやすいので、気になる方は参考にしてみてください。ちょっと高いですけどね(笑)
⇒谷将貴さんの「ゴルフシンプル理論完全マスタープログラム」DVDの販売サイトはこちら
DVDの中で解説している方法は
- 足を肩幅よりちょっと広いくらいに開いて真っ直ぐ立つ
- クラブを握り腕をまっすぐにして上にあげる
- そのまま腕をゆっくり下ろし、脇と胸でキュっと締まる箇所で止める
- そのままお尻を突き出すように足を軽く曲げながら前傾姿勢
- クラブを左右にワッグルしながら軽く足踏みをする
これが正しいアドレスの作り方であり、正しい重心位置の作り方です。
谷将貴さん独自の面白い方法が、最後の「クラブを左右にワッグルしながら軽く足踏みをする」という方法。この方法で自然と重心の位置が適正な体の真ん中にくるようになります。これは片山晋呉プロが無意識にやっていて、データでも適正な位置に重心がくることが証明されています。
実際にやってみるとわかるのですが、ワッグルしながら軽く足踏みするだけで重心位置が体の真下にくる感覚でバランス良く力強く構えることができます。ぜひ実践してみてください。
スイング中の重心位置
スイング中は当然体が動くことになるので、重心の位置を維持、操作するのが途端に難しくなります。また、ゴルフ特有の「前傾姿勢」がより重心位置の操作を難しくしています。
スイング中は当然「右→左」と横の重心は移動します。
この時「前後の重心位置」は絶対に変えてはいけません。
前後とはつま先側、かかと側というバランスです。
どうしても陥りがちなのが、重心位置が前になってしまうこと。スイング中力を溜めようとつま先側に力が入るので重心位置も前のめりになってしまいます。加えて、バックスイングからトップまでは大きく腕を後方に振り上げるため、後方にいく力に負けまいと前方に体重が乗ってしまうのです。
前方に体重が乗って重心がずれることで、スライスやシャンクが発生し、フォロースルーからフィニッシュでも左足に体重が乗れずに前にヨロヨロ~っと動き出してしまうようなフィニッシュになってしまうのです。
スイング中はアドレス時の重心の位置(特に前後のバランス)をキープするように心がけてください。
特に、バックスイングからトップで前に体重がかかりやすい人は、中部銀次郎さんが言うように、あえてかかと側に重心を乗せるような意識をしてもいいと思います。
アドレスで正しい方向を向いて立つ方法
さて、ここからはアドレスで立つ方向についてです。
アベレージゴルファーの場合、スイングも悪ければアドレスも悪いのですが、どちらが悪いのかをハッキリさせなければゴルフはなかなか上達しません。最終的には、スイングもアドレスも精度を上げるのが一番いいのですが、短期間で修正できるのはアドレス(構える方向)です。
体の向きが悪いとスコアも大崩れする
まずは下の図をご覧ください。
右に15度向いて構えているとします。15度というと右に向いているかどうかパッと見ではわからないくらいの角度です。
スイングは完璧、ドローでもフェードでもなく真っ直ぐ飛んだとしたとき、10ヤード先であれば2.5ヤード右に行きますが、100ヤード先になると何と25ヤードも右に飛んで行くことになってしまいます。
ドライバーやフェアウェイウッドとなれば飛距離は200ヤード以上になるので、横にずれる距離はそれ以上です。
もちろん、風の影響やボールの回転などもあり、ピッタリと上記の計算が当てはまるわけではありませんが、アドレス時の体の向きがゴルフに大きな影響を及ぼすことがご理解いただけると思います。
縦のズレより横のズレの影響が大きい
アベレージゴルファーにとって縦の距離のズレはそれほど重要ではありません。フェアウェイ狙いなら10ヤード、20ヤード飛ばなくても、だいたい同じフェアウェイに落ちるからです。
ですが、横のズレは非常に重要です。
狙った場所から10ヤード、20ヤード横にいくだけで、ラフや茂み、バンカーなどのトラブルになり、次のショットにも大きな影響を及ぼします。
ですので、アドレスで構えた時の方向もスイング修正と同じくらい重要なんです。
打ちたい方向に正しく向いてアドレスする方法
では、どうしたら打ちたい方向に正しく向いてアドレスすることができるのでしょうか?
間違ったアドレス
まずはアベレージゴルファーがやりがちな、間違ったアドレスの仕方です。
- ボールの後ろから狙いたい位置を決める
- アドレスして構える
- 上体を起こして目標を確認
- もう一度しっかり構えてスイング
これだと、目標に対して真っ直ぐのアドレスはほぼできません。なぜなら、ボールの後ろから確認した位置とアドレスで構えてから確認する位置ではすでに角度が違うからです。
加えて、アドレスで構えた後、上体を起こして目標を確認してますが、これも目標の位置感覚が狂う原因です。
目標に対して正しく向くアドレスの練習方法
私が試して効果があったアドレスの練習方法です。これは前述した「谷将貴レッスンプロのDVD」でも紹介されていて、実際にやってみたところぴったりと方向が合うようになった方法です。
- ボールの後ろから飛球線を見て目標物を決める(木や鉄塔など)
- ボールの数メートル先に目標物と直線上になるようにコインなどを置く
- コインとボール平行になるように構える(自分の感覚)
- 頭だけ左を向き目標物を見る(絶対に前傾姿勢を崩さない)
- その時の見え方、景色を覚える
- 両足のつま先にクラブを置き、向いてる方向を確かめる
上記を練習場で何度も繰り返し、正しい方向を向いている時の見え方や景色を覚え、体に刷り込ませます。本番のコースでは、練習場の環境とは全く異なり周りの景色も違うので、アドレスで構えた時の方向は感覚に頼るしかありません。
本番のティーショットでは、コインの替わりに木の葉やディボットなどを利用するといいでしょう。ただ目標物のないフェアウェイからのアイアンショットでは自分の感覚だけが頼りになります。
上記の方法で練習していると、本番のコースでも、打つ前にボールの後ろから目標物を決めるだけで、後はアドレスで構えただけで自然に体が調整してくれます。
とても難しいように感じますが、練習で少しやるだけでも本番ラウンドでの精度が全然違います。
本番ラウンド前の数回の練習でもいいので、ぜひアドレスで構える方向を意識して練習してみてください。アドレスが正しくなれば、スイングが悪くて方向が悪いのかどうかがハッキリわかるようになり、ゴルフの上達にもつながります。
ゴルフにおける正しいアドレスのまとめ
ここまで、正しいアドレスの仕方と練習方法についてご紹介しました。
アドレスを大事と言う人もいれば、最終的に打ちたいところにボールを飛ばせれば良しと言う人もいます。ゴルフはできるだけ少ない打数で回るスポーツなので結果が良ければいいのですが、間違ったアドレスは上達の妨げ・遠回りになるのは間違いありません。
アドレスは時間をかけて練習しなくてもいいので、ゴルフの練習場でちょっとだけ意識するようにしてみてください。毎回のちょっとが重なって、自然と正しいアドレス・打ちたい方向に向いて立つことができるようになるはずです。
⇒谷将貴さんの「ゴルフシンプル理論完全マスタープログラム」DVDの販売サイトはこちら