走行中の自転車破損事故!自転車事故を防ぐ方法と対処法

自転車事故を防ぐ方法

先日、自転車走行中にトップチューブが突然破損して大ケガを負った男性が、メーカーを相手に損害賠償を求める訴えを起こしました。

破損した自転車は、東大阪市のメーカー「ビーズ」が製造・販売し、「ドッペルギャンガー」のブランド名で展開する折り畳み式のマウンテンバイク。製造元は中国。

ケガを負った男性に対しては心からお気の毒であると思うし、メーカーを相手に訴えを起こしているのも当然の行動だと思っています。

ですが、ここ最近の自転車の破損事故に伴い「海外メーカーの自転車は危険」といった意見や「中国など東南アジアで製造された自転車は全てが欠陥品である」といった意見に対しては、正直、首をかしげてしまいます。

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自転車事故はメンテナンスでほとんど防げる

なぜ「海外製は危険」「中国製は粗悪品が多い」という意見に首をかしげてしまうかというと、

走行中の自転車破損事故は日々のメンテナンスでほとんど防げるからです。

破損事故は日々の管理・メンテナンス不足

2008年に、ビアンキ社製のクロスバイク「バックストリート」に乗車中、突如自転車のサスペンションが分離して前方に転倒する事故が発生しました。フロントフォークのサスペンション部分が錆で激しく腐食して、フロントフォークから折れたのが事故の原因でした。

乗っていた男性は顔面を地面に強打し、首から下が全麻痺になってしまったという、なんとも痛ましい事故で、被害にあわれた男性には言葉もありません。

このときもビアンキ製の自転車が散々叩かれ、ビアンキ=事故車みたいな扱いも受けました。

但し、この事故もちょっと自転車に乗る人ならば、少し違和感の残る内容でした。

事故にあわれた男性は、自転車を購入してからほとんど整備にも出さずに、自分でのメンテナンスもほとんどしていない状態でした。

誤解を恐れずに言うと、自転車は毎日の確認、定期的なメンテナンスが必要な乗り物であって、長年放っておいた自転車は事故が起こっても当然といえる状態だったと言えます。

メンテナンスしていればほとんどの消耗は防げる

もちろん、自転車としての構造上の欠陥もあるでしょうし、自転車自体の品質の悪さもあるでしょう。どんなに定期的にチェックやメンテナンスをしたとしても、100%事故が起こらないとは言えません。

ですが、さすがにフロントフォークの腐食・サビは気がつきます。

他にも

  • タイヤの消耗・ヒビ割れ
  • チェーンの緩み・たるみ
  • ブレーキパッドの消耗

週に一度でもいいから自分で点検すれば、こういった消耗は気がつくことができます。そして破損事故が起こる前にサイクルショップなどに持ち込む・相談するということもできます。

自転車は日々の管理やメンテナンスが必要な乗り物であると理解する。自分での定期チェックは自分の命を守るものとして、自転車乗りにとっては重要な作業なんです。

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海外メーカー製の自転車が悪いわけではない

今回の事故でも「海外メーカー製は粗悪品」といった意見や「自転車ブームの歪がでた」との意見が目につきました。

しかし、海外ブランドの自転車は質が悪いなんてことは全くありません。

歴史あるブランドには品質の安全性も確保されている

ここぞとばかりに海外メーカーが叩かれていますが、歴史のある海外ブランドの自転車は、品質においても高いレベルを保っています。

体重60kg以上の人を乗せて、あれほどの軽さを保ちならがら、驚くべき強度と耐久性を維持しています。ビアンキもそんなブランドの一つであり、しっかりとお金を出して購入し、日々の管理やメンテナンスを怠らなければ、早々激しく壊れるものではありません。

もちろん全てが今のままでいいというわけではありません。

安全基準が甘いのなら整備する必要がありますし、インターネットで購入できる安い自転車が欠陥品であるのならチェック体制を強化すべきだとは思います。自転車メーカーや自転車ブランドの更なる企業努力、品質向上も必要でしょう。

日本製でも海外製でもメンテしなければ壊れる

ですが、自転車はただの乗り物です。

自転車が永久に劣化しないわけではありませんし、自転車自身が勝手に自分をメンテナンスするわけでもありません。何年も放っておいて壊れないわけがありません。単純な製品批判は問題を根深くするだけで、何の解決にもなりません。

日本製だろうが海外製だろうが、メンテナンスしないで放っておけば経年劣化で壊れやすくもなります。

自転車に乗るのも人であり、自転車をメンテナンスするのも人です。

一番早急に改善すべき点は、自転車に乗る人の知識・マナー・モラルの向上です。

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自転車に乗る人の意識・マナー・モラルの向上が急務

事故防止にモラルやマナーも重要

今、自転車業界に必要なのは、自転車に乗る私たちの知識・マナー・モラルの向上であり、そのような運動を多くすることです。

先程から「自転車はメンテナンスが重要」と言っていますが、すべての人に自転車に詳しくなって何でも自分でメンテナンスしろ、というのではありません。メンテナンスはサイクルショップに任せても構いません。その方が確実ですし安全です。

重要なのは、自転車にはメンテナンスが必須であるという意識を全員が持つ必要があるということです。

公道の事故もモラルとマナーを守れば防げる!

公道を走るマナーもあまりいいとは言えません。

信号無視、逆走(右側通行)は当たり前。突然の進路変更やふらつきなどもひどい状態です。

自転車は公道を走る乗り物の中で、車・バイクの次にスピードの出る乗り物です。車との衝突、自転車同士の衝突、人との衝突。どの事故をとっても大事故・大ケガに繋がりますし、自分で転ぶだけでも大きな事故につながります。

免許制が必要とまでは言いませんが、自転車を初めて購入するときは、自転車のメンテナンスの必要性・マナー・モラルなどの講習を実施したり、冊子の配布を義務化するなどがあってもいいと思います。

自転車雑誌にも「メンテナンス方法」を細かく解説するのは多いですが、なぜメンテナンスが必要なのか?を説明する雑誌はほとんどありません。

  • メンテを怠ると大事故につながる可能性
  • マナーやモラルの重要性
  • 公道を走るときのの交通ルール

など、ライダーの乗り方についてもっと沢山のページと時間を使って解説することが必要ではないかと思っています。

自転車に乗る人の意識が向上しない限り、自転車人口が増えるたびにこのような破損事故はもっと起こるでしょう。そのたびに自転車や海外ブランドのせいにされるのは、自転車に携わる人間としては悔しいかぎりです。

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