ドライバーショットのスライス。
多くのアマチュアゴルファーがスライスに悩まされ、それに比例した形で数多くの解決方法や改善策が、ゴルフ雑誌、レッスン本、ネットなどで掲載されています。
スライスに関してはアマチュアゴルファーの永遠の課題のごとく、次から次へと新しい考察、解決方法が出てきていますね。本当にみんな研究熱心です。
私自身、初心者の頃こそスライスがでていましたが、アベレージゴルファーになる頃には持ち球がドロー系になっていたので、スライスに悩まされた経験があまりありません。
ですが、何の経験や考察もなしにドロー系の持ち球になったわけではなく、スライスが出る原因を把握して対策したからこそ、ドライバーのスライスが無くなって飛距離の出るドローショットになりました。
今回はアマチュアゴルファーの永遠の課題「スライス」について踏み込んでみようと思います。
スライスの種類を把握する
スライスには大きく分けて種類が2つあります。
ドライバーのスライスを無くすためには、まずは自分がどちらのスライスなのかを把握することが重要です。
- プッシュアウトスライス
- プルスライス
プッシュアウトスライス
プッシュアウトスライスは打ち出しから右方向に飛んでいき、スライス回転がかかってさらに右へ右へと飛んでいく打球です。
大きく右方向へ飛んで行くため方向性の調整が難しく、常にOBの危険性があるスライスです。OBが出ると大きくスコアを崩す原因になるし、強気に攻めるゴルフができません。
プルスライス
プルスライスは打ち出しは真っ直ぐか、やや左方向ですが、スライス回転がかかって右へ右へと飛んでいく打球です。
プッシュアウトスライスと異なり、大きなミスにつながることはありませんが、スライス打球のため飛距離が全然出ません。ドライバーショットなのに200ヤード付近で落ちてしまう人は、ほとんどがプルスライスショットです。
フェード系の球筋と言えなくもないですが、アマチュアゴルファーの場合は飛距離が極端に落ちてしまうし狙って打っているわけではないので、改善した方がよい球筋です。
スライスの原因と発生する要因
スライスで悩んでいるアマチュアゴルファーなら既に知識として知っていると思いますが、ちょっとおさらい。
スライスが発生する直接の原因は「強烈な横回転がボールにかかる」ことです。
打ち出されたゴルフボールが激しく右回転して風の抵抗を受けて右へ右へと飛んで行くのです。
では、なぜボールに強烈な右回転がかかるのか?
それは
- フェースが開いた状態
- アウト・インのスイング軌道でインパクトしている
からです。
上記の2つの要因が重なり強烈な右回転がボールにかかりスライスになるのですが、深刻度は「スイング軌道がアウトイン」になることの方が重大です。程度にもよりますが、フェースが開いた状態だけならそれほど強烈なスライスにはなりません。
アウトイン軌道で擦るようにボールをインパクトするので強烈な横回転がかかるのです。
そのため、アウト・イン軌道を改善することが、アマチュアゴルファーのスライスショット改善のための近道です。
スライスショットの改善方法
スライスが発生する要因はアウトイン軌道ですので、アウトイン軌道を改善してやればスライスはほぼ改善します。
ここで「ほぼ」と表現したのは前述のとおり、フェースが開いた状態でボールに当たるという要因もあるからです。ですが、今回はより深刻度の高い「スイング軌道のアウトインの改善方法」にスポットを当てたいと思います。
アウトイン軌道のスイングの修正方法としてよく解説されるのが
- 右肩を突っ込まない
- ダウンスイングで上半身の回転運動から始めない
などです。
理屈は正しいのですが、なかなか意識しても修正できるものではありません。右肩が突っ込まないようにスイングしているけどスライスが直らない。
なぜか?
それは、
「右肩が突っ込まないようにするためにはどうしたらよいか?」が欠落しているからです。
右肩が突っ込まないスイングのための具体的な方法は以下の2つです。
- アドレスで右肩を後ろ(6時の方向)に引く
- トップの位置は低めに作る
アドレスで右肩を後ろ(6時の方向)に引く
ドライバーショットのスライスを修正するためにまずやるべきことは、アドレスで右肩を後ろに引くことです。後ろというのは背中側の方向です。
よく「アドレスでは両肩が飛球線と平行になるように構える」と言われます。
上記の解説は正しいのですが、ドライバーショットの場合は、ボールのインパクトをクラブヘッドの最下点より少し先で捕らえるようにするため、ボールを左寄りに置きます。
左寄りに置いたボールを目安に構えると、飛球線と平行になるように構えたつもりが、知らず知らずのうちに右肩が突っ込んでいる状態で構えてしまっているのです。アドレスで右肩を突っ込んで構えているのですから、スイングしても右肩が突っ込んでしまうのは当然ですね。
ドライバーショットのアドレスでは、右肩を自分が思っている以上に大きく背中側に引いてください。その時は必ず右肩だけを引いてください。上半身も釣られて右を向いてしまうのはNGです。また、右肩を後ろに引くのであって、右肩が落ちてもいけません。
正しく右肩が引けると、右腕の肘が若干曲がったアドレスとなります。これがドライバーショットにおける正しいアドレスの構えとなります。
- 右肩を思いっきり後ろに引く
- 右腕の肘が少しだけ曲がったアドレスになる
そもそもですが、アイアンのアドレスでも右腕がピーンと張っているような状態は正しくありません。グリップで右手が下から握るため、右腕は少し余裕のある状態(曲がるほどではないが、ピーンと張ってないでゆとりのある状態)が正しいアドレスです。
トップの位置は低めに作る
右肩を引いて右肘が若干曲がるくらいの正しいアドレスで構えることができたら、実際のスイングになります。
スイング自体は今までどおり、上半身と一体となるようにスイングしますが、トップの位置は、右肩と同じか右肩より若干上にくるようにバックスイングします。「クラブを上げる」というよりも「横に回す」といた表現が近いかもしれません。
写真のように低いトップを意識的に作りましょう。
トップの位置の高さを意識してしまうと、体がよく回りきらず、上からアウトインの軌道でスイングしてしまうことに繋がります。
右肩を引いて構え、体を横に回すイメージで十分にバックスイングすることによって、スイング軌道がアウトインにならず、スライスが発生することもなくなります。
場合によっては球筋がドロー系のショットとなり、ドライバーショットでの飛距離が大幅にアップすることもあるのが、右肩を引いて横に回すドライバーショットの最大の利点です。
スライスショット改善のまとめ
ここまで、ドライバーのスライスショットについて、その原因と対策をまとめました。
ドライバーのスライスショットはアマチュアゴルファーの最大の課題です。ほとんどの人が直面する悩みだし、なかなか改善のきっかけがつかめない現象でもあります。
今回ご紹介した対策はかなり即効性のある方法です。
- アドレスでは右肩を引いて右腕は少し曲げる
- トップは低い位置でスイングは横回しを意識
もちろん、ゴルフは飛べばいいわけではありませんが、アマチュアゴルファーのドライバーショットくらい気持ちよく飛ばしたいものですよね。
最初は慣れないかもしれませんが、ドライバーショットがドロー系の球筋となり、驚くほど飛距離もアップしていきますよ。