スポーツバイク（主にロードバイク）に乗るサイクリストにとって、必ず1回は論争になるのがコンポーネント（コンポ）について。どのメーカーを採用するか？から始まり、実にいろんな意見があります。コンポはスポーツバイクの要となるから当然といえば当然ですけど。
そんな中でも変速機、特に「フロントディレーラー（フロントの変速機）」のギア（歯車）の枚数についてはよく語られます。
今回は、ギアの枚数にスポットを当てて「クロスバイクのクランクはダブルがいいのか？トリプルがいいのか？」について言及していこうと思います。
ダブルとトリプルとは？
ダブルとトリプルというのはフロントディレイラーのギア（歯車）の枚数のことで、ギアが2枚だとダブル、ギアが3枚だとトリプルといいます。ちなみに、ギアが1枚のものはシングルです。
ロードバイクはダブルが一般的で、マウンテンバイクなどはトリプルが一般的です。
クロスバイクに関してはダブル・トリプル両方の自転車があり「クロスバイクはダブルとトリプルどちらがいいのか？」というのはよく耳にする話題です。
ここでは、ダブルとトリプルの特徴を少し掘り下げます。
ダブルの特徴
ダブルのメリットは「軽量になる」「Qファクターが狭くなる」「操作が簡素化される」という点があげられます。
自転車の重量を少しでも軽くしたいロードバイクの世界では、ギアの枚数分軽くなることも重要視されます。また、Qファクター（ディレーラーとペダル間の距離）が狭くなることでペダリングがスムーズになります。
ギアの枚数が少なくなることで単純に変速の組み合わせが少なくなり、変速操作も簡素化されます。
一方で、トリプルに比べてギア比が大きくなるため（ギアの組み合わせにもよりますが）発進やキツイ上り坂などでパワーを使い、極端に勾配のある坂では脚力が追いつかず登れない、というケースになる可能性もあります。
トリプルの特徴
トリプルの特徴は、基本的にはダブルの逆。ギア比が多いのでいろんな局面での対応力があります。特に脚力に自信がない人でも、ギアを軽くして急勾配を登ったり、スムーズな発進を可能とします。
一方で、ギアの枚数が増えるので重くなります。また組み合わせも多くなるので、そもそも「全部の組み合わせが必要なのか？」ということもあります。また、ギアをまたぐ変速が多くなると、その分チェーンの脱落の危険性も高くなります。
クロスバイクはダブル・トリプルどっちがいいのか？
さて、ここからが本題。
クロスバイクのフロントディレーラーはダブル・トリプルどっちがいいのか？
結論から言うと
ダブル・トリプルどっちでもいい
というのが私の意見です。
身も蓋もない意見で申し訳ないのですが笑
クロスバイクに求めるものとは？
ダブルを推す意見に、よくあるのが「トリプルだと重くなる」「Qファクターが広くなり漕ぎにくくなる」というのがあります。たしかに競技に挑むようなロードバイクならその通りなのですが、クロスバイクレベルだとそこまで気になるほど影響ありません笑
そもそも、そこまでクロスバイクに求めますか？
私は、クロスバイクの目的は「オールラウンドに乗ること」だと思っています。
通勤・通学や買い物などの街乗りに使用し、休日にはちょっとしたツーリングやロングライドに出かける。時には山を登るコースを走りヒルクライムにチャレンジしてみる。
多くの利用シーンで気兼ねなく乗ることができるのがクロスバイクの魅力だと思っています。
そのためギア比にもよりますが、フロントトリプルで組んだ場合、より小さいギア比で小回りの利く走りができます。混雑した街中や急な上り坂などで威力を発揮するため、街乗り中心で考えてる人にとっては特に重宝するでしょう。
トリプルも使わないのも事実
ただ一方で「トリプルクランクで全ての組み合わせを使うことがない」というのも事実です。
事実というか、トリプルであれば3枚を全部使って軽いギア比も重いギア比も使ったりするのですが、無ければ無いでなんとかなります笑 さきほども言ったとおり、クロスバイクに乗るシーンなんて競技ではないので、そこまでシビアな考え方は必要ないです。
トリプルで変速が多い分、ギアをまたぐ変速でチェーン脱落の危険性が増すというのもありますが、変速をガチャガチャ切り替えるのもクロスバイクに乗る楽しみというか。本来の意味がそれほどなくても、ガチャガチャやった方が楽しいし、クロスバイクの楽しみの一つとも言えると思います。
クロスバイクに乗る目的が、細かい街乗りからロングツーリングまで楽しむのであれば、ダブルでもトリプルでもどちらでもいいし、元々トリプルの自転車をあえてダブルにする必要はないと思っています。
