1976年にファミリービジネスとしてアメリカで創業した「TREK(トレック)」を代表するスピードタイプのクロスバイク「7.3FX」と「7.4FX」
スポーツクロスバイクのレベルを一段引き上げたFXシリーズのエントリーモデルである「7.3FX」と「7.4FX」です。
値段も形も似ているこの2台。
どこが大きく違っていて、乗り心地はどのように違うのでしょうか?
7.3FXと7.4FXの違い
※写真は7.3FX
7.3FX、7.4FXともにTREKの名前を一般ユーザーにも浸透させたベストセラーモデルですが、以下の点が大きく違います。
- 7.3FX:フロントフォークが「アルミフォーク」
- 7.4FX:フロントフォークが「カーボンフォーク」
オールアルミフレームの7.3FX
7.3FXはオールアルミを使用していて「キビキビとした硬い走り」が特徴です。
スポーツバイクらしい「カチッ」とした硬い走りですが、その分衝撃の振動やしなやかな安定性は7.4FXに劣ります。
カーボンフォークの7.4FX
カーボンフォークを使用した7.4FXは、スポーツクロス初心者に大人気のモデルです。
適度な剛性のアルミフレームと、振動吸収性に優れたカーボンフォークの効果で、スピードタイプながら乗り心地に配慮されたバイクです。
長時間乗り続けたり、走りをラクに楽しむなら7.4FXです。
TREK(トレック)7.3FXと7.4FXの試乗レビュー
実際に7.3FXと7.4FXを試乗した感想をまとめてみます。
7.3FXを試乗した感想
7.3FXは何と言っても僕が初めて乗ったクロスバイクであり、愛着がありちょっとひいき目で見てしまいます。
性能としては、この価格帯ではスピード・剛性は文句なし!
スポーツバイクらしいキビキビとした走り、踏み込んだときに応えてくれるスピードと、スピードが出たときの安定感はさすがTREKといった印象です。
道路から返ってくる硬い振動も「クロスバイクに乗っている感」があって、個人的には好きな感触です。
一方でその振動が「疲れる・安定感に欠ける」といった印象を持つ人もいるでしょう。
7.4FXを試乗した感想
TREK FXの性能を十分引き出し、ロングライドも楽しみたいというのであれば、断然「7.4FX」がお勧めです。
理由は7.4FXに採用されているカーボンフォーク。
長時間乗り続けるロングライドでは、路面からの振動で手首、腕、肩などの上半身への負担が蓄積していきます。
カーボンフォークは路面からの振動を吸収して、上半身への負担を軽減してくれる効果に優れているので、街乗りレベルの短い時間だとアルミフォークとそれほど違いはないのですが、長時間のロングライドでは疲れ具合が全然違います。さすがカーボンフォーク。
スピードタイプのクロスバイクとしては、Bianchi CAMALEONTE(ビアンキ カメレオンテ)よりも、より走りを追求したクロスバイクで、カチッとしたメリハリのある走りが実現しやすく、より硬く速い疾走感が楽しめます。
サドルも圧力を分散し負担を軽減する設計になっていて、長時間乗っていてもお尻があまり痛くならないのも7.4FXの特徴です。
クロスバイクの先駆け的存在だったFXシリーズ
トレックのFXシリーズといえば、クロスバイクの先駆け的な存在です。
今でこそクロスバイク人気も高まり、各メーカー・各ブランドいろいろな車種を販売していましたが、クロスバイクが出だした当初は車種も取り扱うサイクルショップもそれほどありませんでした。
トレックのFXシリーズは、サイクリストの中でクロスバイクが認知されだした頃からのクロスバイクで、当時から「ロードバイクのようなスポーツバイクの醍醐味が味わえる自転車」として評判の高いクロスバイクでした。
7.4FXの2015年モデルは、販売を開始してから初めてのフルモデルチェンジとなり、FXの良い部分は活かしつつ、軽量化など更なる進化を遂げています。
スポーツバイクとしての走りが楽しめる導入車としては最適な1台で、クロスバイク本来の目的である「手軽に乗れてロードバイクのような疾走感を体感できる自転車」としてはこれ以上ないクロスバイクだと思います。
最新の2015年モデルの乗り心地も期待を裏切らない完成度の高さです。街乗りだけでなく、週末のロングライドやツーリングも楽しみたいという方には「TREK 7.4FX」をお勧めします。