クロスバイクでヒルクライム(山登り)はできるの?
ちょっと自転車を知る人にこう聞かれてことがあります。
結論から言うと
クロスバイクでもヒルクライムは十分できます!
頑張ればいいだけですから(笑)
・・・というのは半分冗談で、ヒルクライムならロードバイクにも負けないくらいの走りをすることができるんですよ。
今回は、クロスバイクでのヒルクライムとダウンヒル、そして山登りの楽しみ方についてご紹介しようと思います。
クロスバイクでのヒルクライムの楽しみ方
僕の地元には、自転車のヒルクライムレースが行われる山が2つあります。
どちらも有名な山で、毎年どちらの大会にもロードバイクで参加しているのですが、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクの人気の高まりとともに、大会自体も年々盛り上がっています。
僕は週末のロングツーリングはクロスバイクで走ることが多いのですが、気が向いたときにクロスバイクで山を攻めたりします。
週末の山はロードバイクのサイクリストがほとんどで、僕のようにカジュアルな服装でクロスバイクを走らせている人は滅多にいませんが、ロードバイクのサイクリストより速く走ることもよくあります。
ヒルクライムではケイデンスを一定に意識
僕は、ヒルクライムの大会で入賞こそできませんが、まあまあそこそこの順位で走っています。
ですので、クロスバイクで山を攻めてもロードバイクのサイクリストに勝つことはよくあります(自慢にはなりませんが)
クロスバイクで山登りをするときは、シフトチェンジをフルに活用して、できるだけ「ケイデンスと心拍数が一定」になるように心がけています。
ヒルクライムは瞬発力勝負ではなく持久力勝負となりますので、ケイデンスと心拍数を一定に保つように、坂の勾配に沿って普段街乗りでは使用しないギアも使用して上ります。
ポイントはできるだけ太ももに負担がかからないように走ること。
太ももを疲弊して乳酸が溜まり始めると、一気に脚が重くなってペダリングがつらくなります。その状態になると登ってる最中は回復できないので、太ももを疲弊させないように走ることが重要です。
ケイデンスと心拍数を一定に保つことに注意すれば、普段自転車に乗り慣れている人なら、クロスバイクでも案外スムーズに山登りはできちゃいます。クロスバイクは車体も軽いですからね。
- ケイデンス(ペダルの回転数)を一定にするように
- 太ももに負担をかけない(軽いギア比で)
- 時間をかけて登る
カジュアルな服装でも全然かまわない
どうも「自転車で山登り」となると「ロードバイク限定」みたいなイメージがあって、本格的なウェアに身を包んで、高いロードバイクで登らなくちゃいけないような雰囲気になりがちですが・・・
普通のカジュアルな服装で全然かまいませんよ!
山道はクロスバイクでも十分登れるし、カジュアルな服装でもまったく問題ありません。服装の影響があるとすれば、スピードがでるダウンヒル(下り坂)です。
頂上付近は寒いこともあるので、平地よりもプラスひとつの上着(ウィンドブレーカーやダウンなど)を用意すれば、あとはオシャレな格好で登って、頂上付近の散策を楽しみましょう。
ヒルクライムは確かに辛いのですが、登ったときの達成感、爽快感はハンパないです。
街乗りでは絶対に得ることのできない快感がヒルクライムにはあります。
クロスバイクを乗っている人には、ぜひ一度山登りを試して、達成感と爽快感を味わってほしいですね。
クロスバイクでのダウンヒル(山下り)は要注意
クロスバイクでのダウンヒル(山下り)は、ロードバイクのようにはいきません。
クロスバイクとロードバイクで差が出るのは、上り坂よりも下り坂でしょう。
風(スピード)の抵抗を受けやすい
まず、カジュアルな服装では圧倒的に不利です。
自転車は「風の影響」をモロに受けるスポーツです。
特に、スピードが出れば出るほど風の影響が大きく、いかに風の抵抗を受けないで走るかがポイントとなります。
ロードバイクのサイクリストが、揃いも揃ってピッチリとしたウェアを身にまとっているのもそのためだし、隊列を組んで走るのもできるだけ風の抵抗を受けないようにするためです。
スピードの出るダウンヒルでは服装の影響(風の抵抗)が大きくて、その点ではロードバイクにスピードにはかないません。
自転車の性能の違い
もう一点は、圧倒的な自転車の性能の違いです。
自転車の値段の違いって何にでると思いますか?
加速の反応、乗り心地、ペダリングのスムーズさ・・・などなど、細かい点を上げると全部違うよ!と言えるのですが(笑)
値段の一番の違いは、スピードを出したときの安定感です。
クロスバイクはスピードが出過ぎると、途端に挙動が不安定になります。
ロードバイクに比べて衝撃吸収性が良くないので、スピードの出る直線ではガタガタ震えだし、自転車の制御が難しくなります。
また、コーナリングでも差がでます。
ロードバイクに比べ、横の力(横G)に対する耐久性がないため、スピードを出してコーナーに突っ込んだ場合、姿勢を維持してバンク(傾斜)することができません。
つまり、クロスバイクのダウンヒルでは、スピードを落として安全運転せざるを得ないのです。
ですので、行きの上り坂で抜かした人たちに、帰りの下り坂ではあっさり置き去りにされます(笑)
まあ、登りの疲れを癒しながら、ゆっくり景色を楽しんで下るのもクロスバイクならではの楽しみではあります。
ブレーキングでの疲労感に注意
クロスバイクに限らずロードバイクでも同じなのですが、
長時間(回数が多い)ブレーキングは手がとても疲れます。
ヘアピンカーブの多いダウンヒルでは、ブレーキとスピードを交互に繰り返します。スピードが出てる状態でのブレーキングは意外と握力を使います。
1回だけのブレーキングであれば疲れも感じないでしょうが、何回も繰り返すブレーキングは握力を奪われて一気に疲れます。特にクロスバイクはブレーキングが疲れやすいので手の疲れも注意が必要です。
スピードが出てるダウンヒルで手が疲れてうまくブレーキングできなかった!という事故もよくある話です。
クロスバイクで山を攻めてみましょう!
ここまで、クロスバイクでの山攻めについてご紹介しました。
山の上り坂・下り坂は本当に楽しいです。街乗りや平坦コースでは味わえない充実感と爽快感があります。
クロスバイクに乗る方は、ぜひ一度山を走ってみてください。
バックパックに上着と食べ物を持って、プチ旅行の気分で1日かけて山を堪能してみてください。新たな楽しみが見つかるはずですよ。
ロードバイクに追い抜かれるかもしれませんが、自然の中で自分のペースを守って、景色や空気を楽しむこと。あとは車に気をつけて楽しんでみたくださいね!